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母豚と子豚 [生き物の強さ]

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親豚と子豚

小生は、真面目と堅物を織り交ぜた両親の下に育ってきた。
畑で取れた野菜の残り、家でできた、残飯など無駄にしないようにと、
それを餌にして育てていったた。

その豚の世話が小生の仕事。
なんで臭くて面倒な豚の飼育をしないといけないのか?

そんな思いは時が経つにつれて変わってきた。

庭に豚小屋を作りメス豚を飼っていた。
小さいころから小生は豚の出産を
目の当たりにするチャンスに恵まれた。

よくあのお腹にたくさんの子豚が
入っているものだと感心していた。

普通10匹から多くて15匹生まれる。
生まれたての子豚は誰に教えられるわけでもなく
母豚の乳首に吸いついてオッパイを飲む。

不思議なことに一度子豚の授乳位置が決まるとそれが
定位置となって育っていく。

乳の出具合は前足から数えて3番目、4番目くらいが最もよい。
従ってその位置に定着した子豚は最も成長が早い。

寒い季節の時は授乳が終わると子豚は暖を取るために
小部屋を用意し電気の暖房装置をつける。ある晩、
えらく外が騒がしい。
近所の人がバケツを持って走り回っている。

事の次第は子豚の部屋から漏電か?
出火して小屋が燃えている。

子豚の鳴き声、母豚の鳴き声、
人の叫び慌が入り混じり、あわただしい夜だった。

そんな中で、あまりに暑かったのか母豚は
柵を乗り越え外へ出てしまった。
しかし子豚は中で泣き叫んでいる。

小生は水を汲んで手伝うくらいしかできなかったが、
子豚が苦しんでいる。とその時、
想像していなかったことが起こった。

それは一度飛び出た母豚がまた子豚が鳴き叫
んでいる小屋の中に入って行ったのである。

抱き上げて助けることが出来るわけでもないのに
鼻をクンクン子豚をあやすように摺り寄
せている姿は人の目に涙を誘った。

やっと火が収まった時は13匹いた子豚は2匹しか
残っておらず、母豚は鼻のあたりに火傷を負っていた。

一休みして朝を迎えた時、まだ小屋には焼け焦げた
匂いがあり、11匹の子豚に涙が溢れてならなかった。
それにしても母豚の子豚に対する
愛と言おうかその本能は素晴らしい。

残った2匹はすさまじい勢いで成長を遂げ、子豚としては
今までにない大きさに育った。









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